在校生ブログ

就職活動(コンサル)・1年生前半の学生生活

2020.09.09 Category:課外: Philly生活

Class of 2021の者です。受験生の皆様から就職活動についてお問い合わせを受けることが多いので、自分の経験をブログに綴ります。尚、メインは夏休みのインターンシップに向けた、1年生の就職活動です。そして、業界としては、私が就職活動をしたコンサルティング会社(東京オフィス)が中心です。一方で、Wharton Schoolの1年生の8月~2月に掛けてのスケジュール感がイメージできるように書いていますので、

  • 「1年生のAcademics/Social/Recruitingのバランスを知りたい」
  • 「MBA後のキャリアとしてコンサルティング会社に興味がある」

といった方々の参考になれば幸いです。

また、各月のAcademics/Social/Recruitingの労力の割き方のイメージが分かるように、各月の冒頭に“A:S:R = 5:2:3“といった目安を記しています。

私見を多く含みますが、少しでもご参考になれば幸いです。

1.スケジュール

8月      A:S:R = 3:7:0

入学直後はリーダーシップ・チームワークの授業があるものの、他の時間は多くの同級生と知り合う為の時間に費やされる。リクルーティングについては、MBA Career Management Officeからオリエンテーションがあるものの、学生は「まだ先の話。今を楽しもう!」という感覚でいる。

9月 A:S:R = 4:4:2

授業が本格的に始まり、授業・個人課題・グループワーク等で皆忙しくなる。一方でソーシャルは継続。毎週木曜日に大きなパーティーが開催され、それはそれで忙しい(二日酔いで翌日も機能しない)。一方で、学校が取りまとめるレジュメ・ブック(全学生の履歴書が掲載された本で、MBA採用に興味のある企業に配布される)用のレジュメの提出期限が10月上旬なので、少しずつリクルーティングが意識される。

尚、MBA受験時にレジュメの提出は必須だが、MBA受験用とリクルーティング用では強調するポイントが異なるので、基本的に全員がMBA受験用のレジュメを修正する必要がある。MBA Career Management Officeがレジュメの書き方ワークショップを開催してくれたり、個別面談に応じてくれたり、2年生のフィードバックセッションを設定してくれたりするので、米国式の就職活動向けレジュメの作成のノウハウを持っていなくても、心配は要らない。東京オフィスを希望する場合でも、英語のレジュメの提出が必須である。日本語の履歴書は不要。

10月 A:S:R=3:4:3

月の前半は第1Qの試験期間なので勉強モードが継続するが、10月下旬から本格的なリクルーティング期間が始まり人によっては全く授業に参加しなくなる。特に投資銀行のリクルーティングをする人は頻繁にNYに行く必要があり、授業を欠席しがち。

コンサルティングやテック系の会社の場合、キャンパス内またはキャンパス近辺で説明会/Coffee Chat/Drinksを頻繁に開催してくれるので授業との両立は可能。一方でリクルーティングに力を入れる学生の多くは企業の方々とのネットワーキングに時間を費やし始める。

因みにCoffee ChatやDrinksは当然ながら学生は無料で参加できる。美味しいドーナツやバーガーを沢山無料で食べることができるので案外毎日楽しい。

11月 A:S:R=3:3:4

第2Qに入り、勉強のリズムは多くの人が掴めてきているのと、このタイミングに忙しいことを見越してあまり授業を履修していない人が結構いるのとでAcademicsは盛り上がりに欠ける。一方で、面接のある1月を除けばリクルーティングが最も盛り上がる月と言える。

多くのイベントが11月3週目のThanksgiving前に集中するので、ほぼ毎日何らかのイベントがある状態。それに加えて、コンサルティング会社の面接ではケース面接というのがあるので、その準備も意識される。Thanksgiving 休暇には旅行を企画している学生も多く、旅行ぐらいは楽しみたいということで、それまでにネットワーキングと面接練習の目途を立ててしまおうという人が多い。

ケース面接については、所謂MBB(McKinsey, BCG, Bain)から社費できている同級生に面接官役を依頼したり、Career Management OfficeやConsulting Clubが提供するケース面接練習のスロット(面接官役の多くは夏にコンサルティング会社でインターンをした2年生)を利用したり、同級生同士で練習したりして対策する。

日本人については、11月上旬に開催されるボストンキャリアフォーラムで各コンサルティング会社の東京オフィスの方々と面談(面接ではない)することが多い。

11月中旬に申し込みの締め切りが集中する。提出資料は多くなく、9月に完成させたレジュメがメインだが、完成度に自信がない人はここで再修正をして提出する。多くの人が1月に開催される面接の招待を受ける。

12月 A:S:R=3:3:4

12月上旬は期末試験期間。リクルーティングイベントもひと段落し、しばし勉強に追われる日々。冬休みに旅行を企画する学生が多く、それはそれで楽しむ。一方で冬休み中もリモートでケース面接練習をしたり、旅行している同級生同士で面接練習をしたりすることがあるらしい。1月中旬の面接ではケースの出来もさることながらFIT面接(志望動機や過去の経験等に関する面接)も重要であることから、12月に入ってFIT面接対策を始める人も多い。

1月 A:S:R=2:2:6

第3Qの授業は1月最終週まで始まらない。コンサルティング会社や投資銀行は1月中旬には全ての面接を終えるので、これらの業界を志望している学生は面接に全力投球。最も学生が精神的に不安定になる月と言える。早めに内定を勝ち取って安堵する学生もいれば、望んだ会社からオファーがもらえず軌道修正を求められる学生もいて、リクルーティングの話をするのはなかなか気まずい。

1月末から、各社が内定者懇親会のようなものを開催する。そこで初めて友人が同じ会社に内定をもらったことを知ることもしばしば。

2月 A:S:R=4:6:0

コンサルティング、投資銀行の就職活動をしていた組は早々にリラックスモードに入る。今まで疎かにしていた勉強を頑張る学生もいれば、ソーシャルに走る学生もいる。一方でテックやPE、VCの就職活動をしている学生はまだまだ正念場。Zoom等でチャットしてる姿がキャンパス内で頻繁に見かけられる。また、西海岸に行く学生も多い。

以上、半年間のスケジュールのイメージでした。

2.リソース

上記のスケジュールでも触れていますが、学生が得られるリソースについて纏めます。

Career Management Office

専属のキャリアアドバイザーがいます。コンサルティング会社の場合は2名。レジュメ・面接(ただし、FITに限る)のアドバイスを個別にしてくれますが、忙しいのでリクルーティング期間を通して3回ぐらいしか会えないという感覚です。

MBA Career Fellows

Career Management Officeが指定した2年生。忙しいキャリアアドバイザーを補完する形で、面接練習やレジュメの確認に時間を費やしてくれます。

Consulting Club

2年生がケース面接のワークショップを開催してくれたり、実際に面接練習に付き合ってくれます。コンサルティング会社へのリクルーティングを目指すのであれば参加必須と言えるでしょう。

同級生

MBBの社費生が多くいます。彼ら/彼女らは面接の練習に良く付き合ってくれます。各社の実態を知るのにもいいでしょう。また、面接練習慣れしてきた1年生もいいアドバイスをくれることが多いですが、MBB社費生に練習相手になってもらう場合と違って、自分も面接官役にならないといけないので、練習だけで2時間かかります。勿論、他人の面接官役をやることで多くの気付きを得ることもできます。

各社の専属リクルーター

MBBがWharton専門のリクルーターをキャンパス近くに張り付けにします。Coffee Chatやケース面接対策等、親身になって対応してくれるので非常に有用です。

3.役立ったツール

Rocketblocks: ケース面接のフレームワーク、計算、ブレインストーミングを練習できます。

Caseinterview.com:良インタビュー、悪インタビュー例は秀逸です。

一方で、私個人の意見ですが、あまりに型にはまったケース面接対策本は役に立ちませんでした。寧ろ『イシューからはじめよ』『企業参謀』『論点思考』『仮説思考』といった本の方が、本質に近くて好きでした。

4.所感

ケース面接について不安に思っている方がいると思います。実際にWharton生でも多くの学生は30回程度練習を積んで本番に臨むケースが多いです。ただ、練習は量ではなく質が大事だと考えます。本質を掴む力を鍛え、弱みを潰す機会を充分に確保していれば(それはRocketblocksでもできます)、回数が少なくても充分に内定を勝ち取ることは可能です。

また、どのMBBからの社費生に聞いても「FIT面接はケース面接と同じかそれ以上に重要」と声をそろえて言います。そもそもなぜコンサルティング会社なのか、腹落ちするまで考えることをお勧めします。

一方で、ネットワーキングは必要最低限で構わないです。特に東京オフィスを目指す場合、キャンパスにいるリクルーターと非常に仲良くなったところで得られる効果は限定的だと思うので、各セッションは各社の文化を知る機会(あるいは美味しいドーナツを食べる機会)と割り切って参加すればいいと思います。

以上、冒頭にも申し上げた通り、飽く迄私見を多く含みます。内定獲得までの道は一人ひとり違いますが、ひとつの事例としてご参考になれば幸いです。

もしご不明点があれば、いつでもお問い合わせフォームで質問ください。

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