多くの私費の留学生にとって、最も気になることの一つがお金です。在学中にいくら必要で、卒業後にその投資は回収できるのか。ここではその不安にダイレクトに回答してみます。
ざっくりいうと、入学時に単身者は1,100万円、家族同伴者は1,200万円くらいキャッシュがあれば卒業できると思います。投資(授業料+生活費)回収は、前職の給与にもよりますが一般的には卒業後数年で可能です。
もう少し詳しく説明します。
1.キャッシュ
1年目に必要なキャッシュ(詳細は下記)を持っていることがポイントです。
・授業料・保険 850万円
・渡航費 20万円
・家賃 10万円(単身、ルームシェア等)・15万円(家族)×10ヶ月
・生活費 10万円(単身)・15万円(家族)×10ヶ月
・その他 30万円
これだけあれば、裕福とはいかないまでも、普通に生活ができます。(2018年2月現在)
2年目の費用は、多くの場合、夏休みのインターンの給料(300万円+渡航費)+内定先からの契約金・借入(500~1,000万円)で賄えます。
※ここで示したの一般的な金額です。会社や個人によって異なります。事業会社だともっと低く、金融系はもう少し高いことが多いようです。
2.卒業後の収入
卒業後の進路で多いのは、コンサル、事業会社(主に外資)、金融(投資銀行・ファンド)です。平均年収は、前2者だと1,000万円台半ば、後者だと2,000万円超(かなり幅がある)のようです。これに、ワンタイムの契約金や無利子貸与(一定期間の勤務を条件に返済不要の場合もあり)などが加わります。
MBAの2年間で2,000万円超を使いますがこれを回収できるかは、前職の給与水準によるところも大きいです。ただ、多くの場合、数年で回収できるようです(ここでは2年分の機会費用は考慮していません)。前職が年収600万円程度であれば、確実に2年程度で回収できます。前職が給与水準高めの業界(投資銀行、コンサル、商社等)でも、より給与水準の高い業界に就職することが多いので、やはり数年で投資回収できているようです。
ここでは金銭的な意味での投資回収について触れましたが、キャリア選択の幅が広がるという意味でのメリットも考慮すれば、個人的には非常によい投資だと思います。
3.その他の細かい話
海外居住ということで住民票を抜くと、(1)住民税がかからない、(2)国民健康保険の加入義務がない、(3)国民年金が任意加入になる、という効果があり、これがけっこうありがたいです。
また、各種奨学金や日本政策金融公庫の学資ローン(450万円・30年固定金利約1.5%)も利用可能です。”