Wharton MBAの特徴

 

Wharton Schoolの概要

ウォートン・スクール(正式名称:The Wharton School of the University of Pennsylvania)は、1881年にPhiladelphiaの実業家であるJoseph Wharton氏の寄付により設立されました。彼は設立の目的を”to impart a liberal education in all matters concerning finance and economy”としています。Wharton氏は鉄鋼業で財をなした篤志家であったため、それを偲んで鉄床(Anvil)がウォートンのシンボルとなりました。

ウォートン・スクールはMBAプログラム以外にも、UndergraduateやExecutive向けにプログラムを提供しています。ビジネススクールのなかでも常にトップレベルの評価を得ており、優秀な卒業生を多数世に輩出するだけに留まらず、ラーニングチーム、リーダーシッププログラム、Global Immersion Program、Field Application Projectなどビジネスクールを特徴づけるプログラムや仕組の多くをウォートンが開発し、ビジネススクールという場に常に改革をもたらしている学校でもあります。現在Undergraduateが約2,500人、MBAと呼ばれるGraduateが約1800人、Executive MBAが約500人在籍し、Alumniは約96,000人に上り、Faculty数はビジネススクールで最大の約240人を有しています。
ウォートン・スクールは、フィラデルフィアキャンパスに加え、サンフランシスコキャンパスを有しており(Semester in San Francisco)、1学期の間、サンフランシスコでの受講を選択することができます。また、他のビジネススクールとの交換留学(6週間~1学期間、行先となる学校によって異なる)の制度もあります。このように、東海岸のみならず、西海岸や世界の様々な国から地の利を生かした学びを得られるという点も、大きな特徴となっております。

これらの通常のプログラムに加え、International Studiesにさらに重点を置いたLauder Program、ヘルスケアに重点をおいたHealth Care Manegement、公共政策大学院であるHarvard Kennedy SchoolとのDual Degree(3年コース)、JDMBAと呼ばれるPenn LawとのDual Degree(3年コース)もありますので、興味のある方は、それぞれのコースへの出願を検討してみてください。

日本人にとってのウォートン

ウォートンは、数ある米国ビジネススクールの中でも特に国際性を重視しており、毎年約70ヵ国から優秀な学生が集まってきます。入学して間もなく、クラスやラーニングチームで異なる国籍やバックグラウンドを持つ学生と机を並べることとなり、その後もビジネス成功の為に異文化や個々の多様性を尊重し、活用することの重要性を徹底的に教え込まれます。米国人学生の大多数も協調性に富んでおり、留学生と連携・調整しつつ、積極的に学ぼうとする姿勢も明確です。言葉の壁を超えて、論理的思考力や説得力、そして分析力などチーム員の能力を見極め、それぞれ得意な分野でチームをリードし、不得意な分野でチームメートから学ぶという相互学習を目的とした複合的なチームアサインメントが多いこともウォートンの特徴と言えます。

このように国際性、多様性が重視される中、日本の代表として、日本人学生には多くの期待が寄せられています。例えば、日本企業のケーススタディが、生産管理や戦略論などの題材として頻繁に登場するため、日本の文化やビジネスに関する知識を求められる場面が多々あります。このような機会において積極的に貢献することで日本をより良く知ってもらうことができます。一方世界各国から集まった優秀な学生と切磋琢磨する中で他国の文化やビジネスについて深く知ることができるのは、まさに国際色豊かなウォートンスクールならではの醍醐味と言えるでしょう。

一方、ウォートンが重視しているのは、単なる”国際性”ではありません。チームアサイメントが多いことや、入学審査にTeam Based Discussionが近年加えられたことからもわかるように、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる中で、協調的な学風を保ち、かつ伸ばしていくためのシステムが随所に見られます。例えば、入学直後に実施される全員必修のリーダーシップ・チームワークの授業で、チームワークに必要なスキルとマインドセットを徹底的に学び、これを2年間で繰り返し実践します。

他ビジネススクールを圧倒する、1,000人を超える日本人卒業生のネットワークもウォートンの魅力です。現在も多くの卒業生が、日本企業、外資系企業を問わず、ビジネス界のあらゆる分野で活躍しています。日本人在校生も、通信・金融・コンサルティング・不動産・商社・政府機関・国際機関・製造業・スタートアップなどきわめて多彩なバックグラウンドを持つ人材が結集しており、日本人在校生との交流を通して日本のビジネスについても大いに学ぶことができます。

 

MBAランキング

MBAプログラムは多様化しており、評価基準については様々な意見がありますが、欧米主要メディア3社から発表されているランキングをご紹介させていただきます。各社の評価方法の違いもありランキングは若干異なりますが、ウォートンが常にトップレベルの評価を受けていることがこれらの数字からも窺えると思います。

 

2025年のMBAランキング

US News Best Business Schools Financial Times Business school rankings QS Global MBA Rankings
#1 Wharton School #1 Wharton School #1 Stanford GSB

#2 Kellogg

#2 Columbia Business School

#2 Wharton School
#3 Stanford GSB #3 IESE Business School #3 Harvard Business School

 

U.S. News & World Report:http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/best-graduate-schools/top-business-schools

Financial Times:http://rankings.ft.com/businessschoolrankings/global-mba-rankings

QS Global MBA Rankings:https://www.topuniversities.com/mba-rankings/global

 

有名教授陣

Adam Grant

Adam Grant

Professor of Management
Ph.D. and M.S. from the University of Michigan in organizational psychology
B.A. from Harvard University
https://mgmt.wharton.upenn.edu/profile/grantad/


leadership and teamwork, negotiation, and organizational behavior等を専門としている。35歳という若さでウォートン史上最年少の終身教授となったグラント教授は組織心理学者であり、「フォーチュン」誌の「世界で最も優秀な40歳以下の教授40人」に選ばれるなど多数の受賞歴を持つ。また、グーグル、ウォルト・ディズニー、ゴールドマンサックス、国連などの世界の名だたる企業や機関にコンサルティングをしている。デビュー作である著書『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』は、日本を含め世界27ヵ国語に翻訳されるベストセラーとなっている。1年生が最初に受けるMGMT610を担当している。

Michael Useem

Professor of Management
PhD, Harvard University(1970)
MA, Harvard University(1966)
BS, University of Michigan(1964)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/useem.cfm


リーダーシップ、企業改革、意思決定、コーポレートガバナンスといった分野を専門としている。IBM、トヨタ、米国政府をはじめとする数多くの民間企業や公的機関に対しプログラムを提供するなど、実務界との接点も多い。フィナンシャル・タイムズ、ハーバード・ビジネス・レビュー、ウォール・ストリート・ジャーナル、フォーチュンなどに多くの論文を掲載し、「できる人ほど上司を使う」、「九つの決断-いま求められている<リーダーシップ>とは」、「一瞬の判断」等多くの著書も残している。MBAでの担当科目は必修科目の一つである「Managing Established Enterprise」のHRパート。

Richard Shell

Professor of Management
JD with Honors, University of Virginia
BA with Honors, Princeton University
https://mgmt.wharton.upenn.edu/profile/shellric/


Negotiations (Elective)やResponsibility in Business(Core)等の授業で教鞭をとっている看板教授。過去、何度もTeaching Awardを獲得している。Springboard: Launching Your Personal Search for SuccessやExcellence for Bargaining for Advantage: Negotiation Strategies for Reasonable Peopleなどの本を出版しており、Book Awardsも獲得している。授業外でも、Leadership programの一つであるP3をorganizeしている教授である。

Stewart Friedman

Practice Professor of Management
Ph.D in Organizational Psychology, University of Michigan(1984)
M.A. in Psychology, University of Michigan(1983)
B.A. in Psychology, State University of NY (SUNY), Binghamton (1974)
https://mgmt.wharton.upenn.edu/profile/fried44/


“Total Leadership”や”Leading the Life You Want”の著者で、leadership development, work/life integration, dynamics of change, Teamworkなどを専門としており、The World’s Top 50 Business Thinkersにも選ばれている。
授業では、Executive Leadershipを担当。彼の授業は、Course Match経由ではなく、Essayベースで受講可否が決まる。

Stuart Diamond

Professor of Legal Studies
MBA, The Wharton School(1992)
JD, Harvard University(1990)
BA, Rutgers College(1970)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/diamond.cfm


ネゴシエーションを専門としている。中東や南米の政府機関、その他多くの民間企業に対してコンサルティングサービスや研修プログラムを提供している他、企業の顧問やボードメンバーとしても活躍した経歴を持つ。ニューヨークタイムズでジャーナリストとして働いていた経歴もあり、その際にピューリッツァー賞を受賞したことも。MBAでの担当科目は「Negotiations」。

David Wessels

Adjunct Professor of Finance
PhD, University of California, Los Angles(2000)
BS/BAS, University of Pennsylvania(1992)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/wessels.cfm


コーポレートファイナンス、その中でも特に企業価値評価を専門としている。ビジネスウィークのAmerica’s Top Business School Instructorsの一人として選ばれたこともある。
ンチャーキャピタリストやマッキンゼーのコンサルタントとしての実務経験も持ち、ビジネススクールや実務界で幅広く使われている企業価値評価のバイブル「Valuation(日本語版:企業価値評価)」の著者の一人でもある。MBAでの担当科目は「Venture Capital & Finance Innovations」。

Peter Fader

Professor of Marketing
Ph.D. Massachusetts Institute of Technology, Sloan School of Management (1987)
S.M. Massachusetts Institute of Technology, Sloan School of Management (1985)
S.B. Massachusetts Institute of Technology, Department of Mathematics (1983)
https://marketing.wharton.upenn.edu/profile/faderp/


行動データを使って、カスタマーの行動を予測する、といった、統計DataとMarketingを組み合わせた授業を展開。Appl Prob Models Mktgは彼の人気授業。

Jeremy Siegel

Professor of Finance
PhD, Massachusetts Institute of Technology(1971)
BA, Columbia University(1967)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/siegel.cfm


マクロ経済、特に金融市場分析を専門としている。CNNやCNBCといったメディアにも頻繁に登場し、ビジネスウィークのBest Business School Professorに選ばれた経歴も持つ。
「株式長期投資のすすめ」の著者としても有名。MBAでの担当科目は必修科目の一つである「Macroeconomics and Global Economic Environment」。

Franklin Allen

Professor of Finance
DPhil, University of Oxford(1980)
MPhil, University of Oxford(1979)
BA, University of East Anglia(1977)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/allenf.cfm


コーポレートファイナンスや各国の金融システムの研究を専門としている。また、日本の金融についても深い理解を持つ。American Finance Associationの会長などを歴任。
多くのビジネススクールが使用しているバイブル的教科書である「Principles of Corporate Finance」の著者の一人。MBAでの担当科目は必修科目の一つである「Corporate Finance」。

Nicolaj Siggelkow

Associate Professor of Management
PhD, Harvard University(1998)
MA, Harvard University(1997)
BA, Stanford University(1993)
http://www.wharton.upenn.edu/faculty/siggelkow.cfm


競争戦略を専門としている。Teaching Awardsを立て続けに受賞しており、次のマイケル・ポーターとの呼び声も高い。
ポーターと共同で執筆した論文もあり、学術書の編集等も多く手掛けている。MBAでの担当科目は「Strategy and Competitive Advantage」。